3月の健康 耳管開放症 |
耳管(じかん)開放症という病気をご存じでしょうか。 耳管とは、耳と鼻をつなぐ管のことで、成人で約3.5センチあります。 耳管は普通閉じているのですが、ツバを飲み込んだり、アクビをしたりすると開いて、鼓膜の外側と内側の気圧のバランスをとっています。 バランスをとることで、鼓膜がピンとはり、うまく鼓膜が振動し、音が伝わっていくのです。 この耳管が開いたままになると、鼓膜の張りが弱くなってたるみ、耳に膜が張ったように感じたり、自分の声が大きく響いて聞こえたり、ゴーゴーなどと聞こえたりします。 また、フワフワしためまいを感じたり、低い音が聞き取りにくいといった症状を伴うこともあり、日常生活にさまざまな支障が出てきます。 耳管開放症の原因ははっきりしませんが、体重減少によって耳管周囲の組織がやせることや、顎関節症が原因と考えられています。 また、激しい運動をしたときに一時的に起こったり、疲労やストレス、睡眠不足、妊娠、脱水症状、中耳炎などによって引き起こされることもあります。 深いおじぎの姿勢で下を向いたり、横になると症状がやわらいだりするなど、また、鼻をつまんでゴックンとつばを飲み込んだ時に鼓膜が動くのがわかれば、この病気の疑いがあります。 治療法は、点鼻薬など内科的治療や、外科的治療もありますが、軽い症状であれば、耳管への血流をよくしたり、過労や睡眠など生活習慣の改善で自然に治る人もいるようです。 (2015.3.5[Thu])
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