2017年05月のニュース&トピックス

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)
下肢静脈瘤は足の血管の病気です。下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)がコブ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。

下肢の静脈は、筋肉の中にある深部静脈と、皮下にある表在静脈とに分けられます。

深部静脈は、足の血液循環においてとても重要な役割を果たしている血管です。足の血液のほとんどが深部静脈を通り、心臓まで戻りますので、もしこの血管の中に血の塊ができ、細くなったり詰まってしまうと、命に関わる状態になる可能性があります。下肢静脈瘤とは全く別の病気で、鑑別が重要です。 

表在静脈とは、足の付け根から内くるぶしにかけて走る大伏在静脈と、膝裏からかかとにかけて走る小伏在静脈があり、それぞれ足の付け根と膝の裏で深部静脈と合流しています。
この表在静脈が膨らむと下肢静脈瘤と診断されます。

静脈内には血液が重力に負けて下へ戻って逆流しないように逆流防止弁がありますが、これが壊れると血液が逆流し血管内に溜まってしまい静脈が膨らみます。
逆流防止弁は体全体の静脈の所々にありますが、足の付け根や膝の裏などの太い静脈の合流部で壊れやすくなっています。

大伏在静脈瘤は最も多いタイプで、足のつけ根の静脈弁が壊れておこり、膝の内側に静脈瘤が目立ちます。

小伏在静脈瘤は比較的少なく、膝の裏の静脈弁が壊れておこり、ふくらはぎに静脈瘤が目立ちます。

血管がボコボコとコブ状に浮いて目立ったり、足が重だるい、むくむ、痛い、冷える、足がつるなどの症状がおこり生活の質を低下させます。

まれに湿疹ができたり、皮膚が破れる潰瘍ができ重症化することがあります。

下肢静脈瘤は命にかかわる病気ではありませんが、自然に治ることはなく、加齢とともに徐々に悪化していくことが多いです。

しかし、一生涯悪くなり続けるわけではなく、60歳前後をピークにその後はあまり悪化しなくなるそうです。
(2017.5.31[Wed])

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